医学生の見る世界

地方国立医学部に通ってます。医学について、旅について思ったことを書いていきたいと思います。

旅について

なぜ旅をするのかとよく聞かれる。

理由なんて特に無い、暇だからだ。

といつも答える。

 

自分は勉強するために今の大学に来ていて、医師免許さえ取れればどこだっていいと思いと考え今の大学を選んだ。試験科目と配点が自分に有利だったのだ(今は都心の大学に行くべきだったと激しく後悔しているが)

なので縁もゆかりもないこの場所に友達が全くいない。

医大は忙しいと言われているが、それでも学生なので休みが長い。

特に三年生の春休みは長く2月と3月は休みになる。

暇が多くずっと勉強するほど精神が強くもないし、家にこもってゲームするのもなんだかもったいないと思うので消去法で旅にでる。

なんて言ったって耳障りが良い。

 

休みは海外放浪しています。

 

という言葉からは友達不足の寂しい学生の香りはしない。

そう思って一年生の時から長期休みの度に何処かに出かけることにしている。

 

ところで、旅は何かを教えてくれるとか言うが、そんなに大層なものではないと思う。

海外行って安い宿に泊まって、ちょっと控えめな観光をして、昼からビールを飲む。

やっていることはひたすら怠惰だし、金さえあれば誰だってできることだ。

こんなことで学ぶことは語るほど多くはない。価値観が変わったという程影響は受けない。精々自分のものの考え方を再認識した位だ。

 

それなのに飽きもせず旅にでる。安くない金を払い。

理由なんて無いと思ってたが、日本にいると惨めになるからだとこの文章をかきながら思った。

結局はあまり楽しくない日々の生活から逃げ出しているだけなのだ。

一人旅は良い、旅先であった人とはすぐ仲良く慣れるから寂しさは感じない。

お客さんなのでみんな優しくしてくれる。

嫌なことがあったらその場をすぐ離れればいいし、その気になれば安全な日本に帰ることができる。

人間関係だって良くも悪くも薄っぺらい。旅先であった人でもう一度会おうなんて思う人は殆どいない。

けどだからこそ居心地が良く、こんなもんで良いのだと思う。

旅に行く目標なんて無いけどなんとなく行きたいという位の適当さが魅力なのかもしれない。